「木材不足で契約している新築住宅の着工ができないとメーカーに言われた。」
「ある日突然材木屋さんに行くと木材が全然なかった。」
「ウッドショックってちょくちょく聞くけど結局なに?」
今建築業界で騒がれている「ウッドショック」について解説したいと思います。
現在僕は大手ハウスメーカーで働いています。
現場のリアル伝えます。
ウッドショックとは?
現在木材の価格が高騰しており、業界全体が混乱しています。
令和3年5月中旬現在で、既に町の材木店からは木材がなくなるという状況に陥り、
次はいつ材料が入ってくるのかも全く目処が立っていない状況だそうです。
大手ハウスメーカーにおいても、このままでは6月末頃には在庫分の木材を全て使い切ってしまう会社が多いようです。
原因
- アメリカと中国での急激な住宅需要
- 輸送のコンテナ不足
上記2点が主な原因だと考えられています。
それでは、詳しく解説していきます。
アメリカと中国での急激な住宅需要
コロナ禍の影響でテレワークが主流となっている現在、郊外で住宅の需要が高まり、
アメリカと中国が木材を独占している状況です。
テレワークが主流になると、今まで都心に住んで働いていた人たちも郊外に住むことができるようになるからね!
下記グラフを見てみると、アメリカでは例年約120万戸程度の住宅着工件数でしたが、
昨年は約166万戸にまで急激に増加していることがわかります。
引用元:ニッセイ基礎研究所
グラフで比べると歴然ですよね。
コロナの流行り始めた時期には着工件数が激減していますが、
経済の回復に伴い着工件数も急上昇しています。
また、中国も早期にコロナ禍から回復している為に住宅需要が高まっているようです。
世界での建築需要の高まりが返って日本の逆風に、、、
輸送のコンテナ不足
このコロナ禍で世界中が「巣ごもり需要」に陥り、配送業の負担が増えています。
しかしながら、外出禁止等の措置に伴い労働者の数も削減されていることもあり、
配送業に需要はあるが、サービス行き届かない状況も起きています。
そこで起きること。それは、「価格の高騰」ですよね。
そうなると想像通り、お金を持っている国が欲しい物を買い占める事が
出来るようになります。
ここでもアメリカと中国の登場です。
日本は悲しい事にアメリカと中国が高値で木材の取り合いをしている様子を、
指を咥えて見ていることしか出来ないのが現状です。
我らが日本、、、悔しい、、、
今後どんな事態が想定されるのか
木材が入ってこないとなると当然、家を建てることが出来なくなり、
大工さんの仕事から始まりその後のクロス屋さん、左官屋さんなどの
全ての職人さんの仕事がなくなってしまいますよね。
そうなると、建築業界全体が不景気に陥ってしまいます。
引用元:内閣府「国民経済計算」
現在の日本のGDPの内、 約6%が建設業です。
そして約11%が、土地・建物を売買する不動産業です。
要するに、日本経済に大きな影響を及ぼすことは一目瞭然です。
職人さんが心配だ、、、
これからの日本
このようにアメリカ・中国の買い占め問題などの話になれば当然ながら、
「輸入が駄目なら日本の木材を使えば良いじゃん」という意見が出ると思います。
しかしながら残念なことに、日本は今まで木材の約60%を輸入に頼ってきたので、
急に国産品を使おうとしても年々林業が衰退していた影響で木を切る人もいない上に製材所も全然足りてないのが今の日本の現状です。
日本は国土の67%が森林で覆われていますが安さを求め輸入に頼っていたのが仇となり
強みを活かせていないのです。
これが1ヶ月、2ヶ月の事ならまだしも、いつ価格が戻り、輸入されるのかは、
全く見通しが立たない状況です。
今後住宅業界はどうなっていくのでしょうか。
新しい情報入り次第まとめて記事にします!!